ヨガの八支則を理解すれば「なんでヨガするか」「なんで瞑想するか」わかります。ヨガの八支則は現代風にいうと悟れるまでの方法!8ステップ、悟りへの準備としてヨガや呼吸法、瞑想をします。すごく簡単に悟りとは誰にも何にも頼らなくても自分が幸せって感じられる状態です。
ヨガの八支則をRTY200のカリキュラムで習ったとき、個々に理解できても全体の関係性がわかりずらいと感じました。日本語訳の単語の意味は難してそれってどういう意味?と苦しんだのでヨガの八支則を体系的に理解できるように、私なりに簡単な言葉で1つ1つ説明します。
ヨガの八支則(はっしそく)ってなに?
ヨガのバイブル「Yoga Sutras」の中でサマディ(悟り)にどうやったら到達できるかについて、著者パタンジャリが8つの段階にわけて、それぞれ何をすればよいのかを定義して、体系的に説明しています。そのパタンジャリが説明している悟るまでの方法・全8ステップをアシュタンガと呼び、英語では「8 limbs of yoga」日本語では「ヨガの八支則」と呼びます。
ヨガの八支則の全体像
八支則とは8本の手足という意味です。八支則それぞれの関係性は一つ一つレベルアップしていくような「段階」ではなく八支則それぞれが独立していて、それぞれが支えあってヨーガだ!だから「八支則」を8段階のように説明してはいけない!という説もあります。ただし、ここでは八支則それぞれの関係性を理解しやすいように各八支則が全体の中でどのような役割なのかを記載しました。その結果…、準備があってゴールがある、悟りまでの「段階」のような表記になりました。八支則の関係を理解して全体像を把握するとグンっと覚えやすくなります。
ヨガの八支則だけでなく上手に生きるためのライフハック!ヤマ・ニヤマ
ヨガの八支則の1つ目ヤマと2つ目ニヤマはそのあとに続く6つの項目をよりスムーズに行うため、心身共に健康に過ごせるための基本作法です。ヤマの5つ・ニヤマの5つの合計10個の作法はキリスト教、ユダヤ教、仏教の教えとほぼ被っています。まさにヤマ・ニヤマが人間が生きていく上でユニバーサルに必要なTipsであるといえます。
八支則その①ヤマ(Yama)
- アヒムサ(Ahimsa)/殺さない(非暴力、不殺生)
- サティヤ(Satya)/嘘つかない(真実)
- アスティヤ(Asteya)/盗まない(不盗)
- ブラフマチャリヤ(Brahmacharya)/欲張らない(禁欲)
- アパリグラハ(Aparigraha)/執着しない(不貪)
八支則その②ニヤマ(Niyama)
- シャウチャ(Saucha)/浄化しろ(清浄)
- サントーシャ(Santosha)/満足しろ(知足)
- タパス(Tapas)/努力しろ(苦行)
- スヴァディアーヤ(Svadhyaya)/勉強しろ(学習)
- イーシュワラ・プラニダーナ(Ishvarapranidhana)/感謝して受け入れろ(信仰)
この後のヨガの八支則を深くを理解する為に知ってほしい前提知識コーシャ(Koshas)
何を持ってても、いくら稼いでも悟れるわけではなく、ヨガの八支則のゴールである悟りはあなたの内側で起こっている現象です。その「あなたの内側」というぼんやりした概念を説明するのにコーシャが出てきます。コーシャとは心と体でみるあなたの断面図みたいな感じで、物理的に見えている身体から心の中・本当のあなたを各層にわけて定義しているものです。それぞれの各層をOOコーシャと言いますが、ここでは概念だけ知ってほしいので詳しくは今度記事書きます。ヨガの八支則のゴール・悟りに行きつくまでのこれらから説明するヨガの八支則の各項目はこのコーシャを一つ一つ整えていく作業です。
八支則その③アーサナ(Asana)
本来ヨガポーズは安定していてかつ心地良い状態が理想。自分にとって難しいポーズだと焦ったりイライラしたり、簡単すぎて飽きたりするけど、自分のレベルにあったヨガポーズをしてるときは自然とその瞬間に集中出来て、無駄なことを考える余裕なんてないですよね!?いまその瞬間に集中してるとき、それが瞑想に近い状態。その間は日々の心配事やモヤモヤから解放されて、心がスッキリするのはひっきりなしに思考が浮かんでいた心が静まるからです。
ちなみにヨガの八支則のなかでAsanaは坐法って訳されてますが、ヨガポーズは最初座ってるポーズしかなかったからです。今ではスタンディングポーズなど色んなポーズが追加されたので、Asanaはヨガポーズ全体と考えて問題ないです。
八支則その④プラーナヤーマ(Pranayama)
プラナヤーマは呼吸をコントロールする、すなわち呼吸でエネルギーをコントロールすることです。エネルギーとは元気になりたい・落ち着きたい・リラックスしたい等の自分のテンションやムードと捉えてください。
呼吸でエネルギーをコントロールするとは?
気持ちを上げたいとき
⇒ カパラバティなど吸う息が強制的もしくは長い・力強い呼吸法
落ち着きたいとき
⇒ 吐く息が長い呼吸法
バランスを取りたい・集中したいとき
⇒ ナディショダーナ(片鼻呼吸)・ウジャイブレスなど吸う息と吐く息が同じ長さの呼吸法
ちなみに言葉自体の直訳はこんな感じです▼
サンスクリット語 |
Pranayama(プラーナヤーマ) |
|
Prana |
Yama |
|
英語 |
The vital life force |
To extend |
日本語 |
生命力 |
伸ばす・引き出す |
八支則その⑤プラティヤハーラ(Pratyahara)
身体の内側で起こってることに集中するするために、五感から入ってくる外部の情報を断捨離します。五感から日々ひっきりなしに情報が入ってくるのでマインドが疲れます。あえて情報をシャットアウトすることで、自分と向き合うことができるのでスッキリします。だからプラティヤハーラはマインドフルネスの真逆です。
ちなみに言葉自体の直訳はこんな感じです▼
サンスクリット語 |
Pratyahara(プラティヤハーラ) |
|
Praty |
Ahara |
|
英語 |
Opposite direction |
To take in |
日本語 |
反対の方向 |
取り入れる |
八支則その⑥ダーラナ(Dharana)
集中することに尽きますが「エネルギーを内側に引き寄せて」とは1個前のプラティヤハーラで外部の情報(感覚)をシャットアウトしたので、次はあなたの内側にあるエネルギー・マインドを穏やかにするべく、とっ散らかってる気分や思考を1点にギュッと凝縮させます。
集中するための方法3つ
①トラタカ(Trataka)
1つの対象を決めて凝視する方法。別のこと考えずにどれだけ長くその対象に注意をひきつけてられるか・興味を持ち続けられるか
②アナパナサティ(Anapanasati)
呼吸の吐く吸うに集中する方法。
③ドリシティ(Drishti)
ヨガ(アサナ)の時に1点を見つめる方法。例えばダンサーポーズなどのバランスポーズでグラグラしてしまうとき、1点を集中してみるとバランスがとりやすくなる。ドリシティは9個と決まっていて中指、親指、足の指、へそ、鼻先、上、下、右、左、サードアイ(眉間)です。
八支則その⑦ディアナ(Dhyana)
瞑想中にむしろ色々考えちゃう人。例えば「お腹すいたな」とか思ってしまっても反応せずに無視してください。瞑想で大切なのはその時の反応です。むしろ「あー瞑想中なのに、こんなこと考えていけない!」と思ってしまうと余計にマインドが乱されます。起きてしまったことは気にせず放置するとまた穏やかなマインドに戻って瞑想状態になれます。
ちなみに瞑想中だけでなく日々の生活でも、起こったことよりもそれに対するあなたの反応が大切です。微妙なこと・悲しいことが起きたとき、あなたがそれにどう反応するか、慌てふためいてわちゃわちゃになるか、ポジティブに受け止めるか、冷静に受け止めるか、場合によって様々ですが、起きてしまった事象に対して、あなたがどうやって反応するかによって、みえる世界が変わります!
八支則その⑧サマディ(Samadhi)
「何にも頼らない」ということは、
- 過去にも未来にも依存しないので、過去の出来事に対する後悔も未来に対する不安もなく、今目の前で起こってることに幸せを見いだせる。
- 人の意見や常識にとらわれないから誰かと自分を比べないので、人の幸せや喜びを素直に受け取れる。
- 誰かに依存しないので人に期待しすぎたり・自分のエゴを押し付けたりせず、ありのままを受け入れられる。
身体・エネルギー・マインドを統一させることで自分に向き合い、不安や恐れから自由になって、他人の幸せも自分の幸せと受け取れる。だから「サマディ」は英語でUnion(統一)やLiberation(解放)、Absorption(吸収)などで訳されます。
最後に…、ヨガの八支則の歌を紹介
8 limbs of yogaを英語で説明しているラップがあります。中東っぽい若干癖のあるBGMですが、ずっと聴いているとハマるかもですw
▲興味のある方は是非。歌いながら歌詞丸暗記したらRYT200のテストは余裕ですね(‘ω’)
出典:
https://www.youtube.com
https://www.pexels.com